くせっけデザインのブログ

くせっけの人に幸あれ。

出張コーヒーで人を笑顔にする理学療法士の名刺

 

人は多様だから面白い。

そんな当たり前を頭ではわかりつつも、自分が安心するためにカテゴライズしてしまう点に人間の弱さが出る。一方的にキャラクターを決め付け、イメージしていない言動をすると、それをギャップと認識する。

いやいや、そのギャップというやつは勝手に付けられた印象であって、もともと本人が持ち合わせていたオリジナリティに違いない。

僕自身もそんな自分の弱さと闘っている最中だ。

コーヒーを振る舞う理学療法士の彼

今回出会った彼も僕のイメージを大きく超えた方だった。

彼はピュアで柔和・謙虚な姿勢、溢れる熱意と抜群の行動力を備えている。今を大切にしながらも将来の大きな自分を積極的にイメージしている。

理学療法士として高齢の方のサポートをする仕事をしながら、休日は出張コーヒーの活動を始めた。コーヒー好きが高じて豆を手で引くだけでなく、人に提供して喜んでもらうこと、振る舞うことで生まれる出会いや笑顔溢れる場づくりを目指している。

二十代半半ばの彼のこういった姿を見ると、可能性と年齢は関係ないと思うし、負けていられないなぁと心に火が付く。

デザインについて

ご本人がお好きなグリーンを中心に柔らかいデザインで人柄を表現した。まず他とは被らない有機的な図形でオリジナリティを出しつつも、インパクトを抑えた。

数枚送ってもらった写真からから、最も人柄が伝わる写真を選んだ。こういったチョイスの際、依頼主と制作側の僕とで異なる場合が多いのが面白い。そして、僕のチョイスを信用してくれる依頼主に感謝だ。

写真が立体的なものだったので、名刺のデザインは平面的な模様にして全体で奥行きを出した。

 

裏面は彼が載せたいとリクエストのあったオリジナルのロゴを配置し、ロゴとは距離を置いた位置に力強いコピーを載せた。この距離感は少し悩んだが、コンマ1秒の目線の動きを楽しんでほしくて位置を調整した。

気に入ってくれて僕も嬉しくなった。彼の行動力で多くの方にこの名刺が行き渡ることをイメージすると光栄なことこの上ない。

彼のコーヒーと、彼が生み出す笑顔溢れる空間を味わいに行ける日を楽しみにしている。